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憧れの先輩に聞きたい! 後輩×先輩対談 #9 制作技術(カメラマン)
NiTRoのカメラマンはスポーツ中継・スタジオ収録番組・ロケバラエティー番組など数多くのジャンルを撮影します。今回はジャンルを問わず活躍しているベテランカメラマンとバラエティー番組のカメラマンを目指す先輩・後輩の対談です。
「やってみたくなっちゃったんです。」
石渡
まずは、普通の質問だけど、なんでこの業界を目指したの?
池原
学生のころに時間に余裕ができたので、制作会社でアルバイトをしていたんです。そこでテレビやCMのお仕事に関わっているうちに楽しくなっちゃたんですよ。
その時はカメラアシスタントだけでなく、照明さん、ADさんのサポートもして、とにかくすごく楽しくて、テレビの技術屋としてやっていきたいと思ったんです。
石渡
そうだったんだね。
池原
鹿児島の学校に通っていたんですが、就職を考えるようになったとき「テレビの仕事をやるんだったら東京でやりなさい」って周囲が後押ししてくれ、東京のNiTRoを見つけて入社しました。決め手は好きな番組を手がけていることですね。
「面白くなっちゃって」
石渡
俺は今、カメラマンをやっているけど実はVE志望でこの会社に入社したんだ。学生時代は電子工学とかの勉強をしていたんだけど、学生時代に今の会社でカメラアシスタントのアルバイトをやっていたときに、「テレビの仕事の中にもビデオエンジニアという技術の仕事あるからやってみたら?」って言われたことがきっかけだったんだ
池原
それは全く知りませんでした。それでどうしてカメラマンになったんですか?
石渡
入社して一年くらいVEやカメラアシスタントの仕事でいろんなところに行ってみて、「VEよりカメラの方が面白いかもなぁ」と思うようになって、同じ時期に先輩からも「石渡は、VEよりもカメラの方が向いているんじゃない」って言われて路線変更して現在のカメラマンの自分がいるんだ。
池原
途中路線変更もできるんですね。カメラマンに変わって心境の変化はなかったんですか。なって良かったですか?それとも変わらなきゃよかったとかあるんですか。
石渡
カメラマンになって良かったよ。VEの仕事がつまらないとかでなくて、カメラマンとして、「なんでこうやってみんな撮らないんだろう?」「どうしてこの人はこう撮るんだろう?」って、機械のことを楽しむよりも撮る方が面白くなってきたんだ。
池原
その気持ちわかります。僕もカメラマン志望ですから。
石渡
それまでも人一倍テレビを見ていて、なんとなく勉強していたけど、最初は撮り方とか全くわからなかったなぁ。カメラマンになりたての頃は、カメラアシスタントとして先輩の後ろについていて得た知識や経験が頼りだったよ。
池原
それは現場で覚えたってことですか。
石渡
そうそう、全然勉強とかしてないタイプだけど、先輩カメラマンに教えてもらったり、なんでこう撮るんだろうとか自分で考えたり、カメラアシスタントの時間をちゃんと経験すればいいカメラマンになれるんだよ。
「いろいろあるんですね~。」
池原
今僕はカメラアシスタントとして、複数台のカメラで撮影する場合のチーフアシスタントや、ここ一年くらいはサブカメラマンの仕事も増えてきていています。一人前のカメラマンになるためのステップアップできていると思っています。
石渡
大変だよね。今は仕事の種類が多すぎて。昔は、「スポーツニュース」か「電波少年」のような軽いバラエティー番組か、「ズームイン!!朝!」の中継、ジャイアンツの「イースタン中継」、「ゴルフ中継」くらいだったけど、今は、「another sky」のようなスタジオ番組もあるし、「嵐にしやがれ」「世界の果てまでイッテQ!」「ヒルナンデス!」のロケ、歌番組やインターネット番組など仕事の種類が多すぎて、どの仕事から覚えていいのかわからなくて大変だよね。
池原
そうですねぇ。今はチーフカメラアシスタントとして、カメラマンの意を汲んで後輩に指示をしなければいけないことが多いんですけど、後輩の経験年数によってできることが違うので、そこを考慮してリーダーシップを発揮しなければいけないことが多々あるんです。
石渡
カメラマンとして現場に出るようになると色々な人に指示を出さないといけないからそのための良い経験になっているんじゃない?
池原
そうですね。実際にそんな実感もあります!
「やってみたら良かったんです。」
池原
普段の仕事はすごい楽しいですよ。以前、ホラー映画の仕事で生田スタジオに2か月くらい行ったことあるんですが、それを劇場で見たんです。僕は撮影の裏側を知っているのでニヤニヤしながら見ているんですけど、ほかのお客さんが「ワー、キャー」いって怖がっているのがすごく面白かったです。その最後にエンドロールに自分の名前を見たときは本当に嬉しかったですし、とても達成感がありました。
石渡
なかなか自分の名前がでる仕事って少ないよねぇ。
池原
スタッフロールに名前が出るようになることは一つの目標になっています。そういえば昨年末のガキの使いの特番「絶対に笑ってはいけない科学博士24時」のチーフも石渡さんでしたね。
石渡
オンエアが終わって歌が流れてエンドロールに名前が出て、近所の人に「昨日見ましたよ、お疲れ様でした」って言われるとやっぱりやって良かったなと思うよね。
池原
やはり反響は大きいですか?
石渡
そうだね!「今回はバスに乗っていたよね」っていろんな人に言われたりするよね。
「答えがないのが・・・答え?」
石渡
基本的には台本を制作が用意してくれるけど、カメラマンの仕事はどういう風に撮ったら面白くなるのか、どうやったら人に感動してもらえる映像を届けることができるのか考えながら撮らないといけないんだよね。
例えば、「うわっ!ダマされた大賞」で、変態おじさんを担当しているんだけど、みんなが見てくれた瞬間に「うわっ!気持ち悪いっ」って思ってもらうには、「どこにカメラを配置したらいいのか」「どうやって演者さんに出てきてもらうと気持ち悪くなるのか」を考えて、制作の要求に対して「こう撮影した方がもっと気持ち悪くなりますよ」って、制作意図に沿ったものを自分たちの提案でより良く作り込んでいくことに非常にやりがいを感じているかなぁ。俺たちが作ったものをみんながテレビで見て、「面白かった」って言ってもらえることがすごくうれしいよね。
池原
大変だけど、非常に面白い仕事ですよね。
石渡
そーだね。ほかにも2008年に、FIFAクラブワールドカップでマンチェスター・ユナイテッドFCが優勝した時、俺はカメラを抱えて試合終了後に場内一周するクリスティアーノ・ロナウド選手を撮りに行ったんだ。普通に歩いていて、カメラに向かってポーズとかとってくれるんだけど、なんかもの足りないなぁって感じたんだよね。
その時考えたのは、優勝したのにカップもってないクリスティアーノ・ロナウド選手は単なるクリスティアーノ・ロナウドだなって思ってさ。だからクリスティアーノ・ロナウド選手に優勝カップ持ってきてってお願いしたんだ!そしたら、自分の手を見て「お~優勝カップを持ってないや!」みたいなジェスチャーしてくれて取りにいってくれたんだ。その時の映像は今でもテレビで放送されたりするんだよ。
池原
一番近くにいたからこそ言えたことでもありますよね。
石渡
そーだね。撮影する映像が良くなると思ったら色々やってみた方がいいよね。
それをするかしないかで、単なるクリスティアーノ・ロナウド選手を撮るのか、優勝してクラブワールドカップの栄冠を手にしたクリスティアーノ・ロナウド選手を撮るのかってすごく意味の違うことだよね。
そのことを、自分から発信して撮影できたことは良かったかな。
現場でできることはなんでもやる。コンプライアンスに違反しないことは重要だけどね。
「カメラマンに必要なこと」
池原
僕は以前、マレーシアの番組撮影クルーが日本全国を旅するという番組に関わったときに、先輩が直接自分でディレクターと英語で話をして仕事を進めていくのを目の当たりにして、自分もそういう風になりたいと思うようになりました。
石渡
俺も色々な仕事で海外に行かせてもらったりしてきたけど、英語はできなくて苦労したね。これからは語学をある程度マスターしていくことは必要だよね。
池原
僕は少なくとも3年後の東京オリンピックではカメラマンとして海外の撮影クルーとコミュニケーションをとれるようになることを目標として頑張ります。
石渡
俺は語学が難しいから、今まで以上により制作スタッフなどとコミュニケーションを多くとり、今までの経験や、無駄と思われそうな知識多くもっているところで勝負していくかな。あとは、体力かな!
池原
体大きいですもんね。石渡さん。学生時代は何かスポーツをやられていたんですか?
石渡
水泳、バスケとかスキーとかやっていたなあ。高校までは水泳部だっだよ。
池原
そういう時の経験はカメラマンの現場で活きたりしますか?
石渡
スキーの経験は活きているね。入社2年目でスキーの番組で海外に行くときに、「自分スキーできます」って言って、一人で60kgの機材かついで山に登ったりしていたかな。今じゃ絶対にむりだなぁ。
池原
す、すごいですね・・・(笑)
学生時代に語学を勉強しておくのも良いですね。
「やりたいこと・・・そして壁?」
石渡
池原は最終的にはどこが着地点なの?
池原
僕はバラエティ番組のカメラマンをやりたいと思っています。
石渡
じゃあ、最終的に「世界の果てまでイッテQ!」、「嵐にしやがれ」、「ぐるナイ」とかの番組がやりたいんだね。そのために今何が足りないと思うの?
池原
カメラ技術もそうなんですけど、台本とか見ても画が浮かばないんですよ。複数のカメラで撮り進めていくときに、最終的にどういう形になって、そのためにはどう撮っていくのがベストなのかイメージができないんです。カメラの構図が・・・
石渡
池原は小説を読んだりする? 小説ってすごくて読んでいると情景が浮かんできたりするじゃん。そういうのってうまいこと浮かんでくる?
池原
はい、浮かびます・・・。あっ!なるほど! そういうのを意識して、イメージしたものをリアルに撮影に応用していくってことですね。
石渡
自分だったら「こういう画を撮るかな」「こんな演出にすると面白くなるかな」って考えないとね。俺は昔、ホラー小説を読んだとき、お化けに人が取り込まれるシーンがすごく簡単にイメージできたのね。こういうふうに取り込まれていくんだろうなあってさ。
先ずは、よく読む本でシーンを映像でイメージすることをやってみたらどうかな。
池原
そうですね。僕は今、そのイメージにすることがすぐにできないから、構図や段取りが決められない状況だと思うので、そこは小説を読んでイメージすることや映画や番組をもっと見て勉強していきたいです。
石渡
そうだね。そういったことをその時々でやっていればカメラマンになったときに必ず役に立つと思うよ。
「乗り越えた先には・・・」
池原
あと3年後で東京オリンピックですけど、どういう形で現場にいたいですか。スイッチャーですか?
石渡
やっぱり、カメラを担いで選手と一緒に走りたいかなぁ。体動くかなぁ。あと3年ぐらいだったら動けるかな(笑)
スイッチャーも面白いけど、やるんだったらなるべく選手のそばにいきたいと思うな。どうせなら同じ空気に触れていたい。もちろんスイッチャーもやりがいがあって、同じ空気じゃないのかっていったらそうじゃないんだけどね。
池原
お~選手に近いところですね。
石渡
うん、近いところがいいなあ。今までいろんなオリンピックに行かせてもらったけど、なかなか選手に近いところがなくて、選手や観客たちと一緒に熱く盛り上がれた記憶があんまりないんだよね。あとやっぱり、自分の手で映像を届ける仕事に誇りと熱い情熱があるから、いくつになってもチャレンジしたいよね。
池原は、3年後のオリンピックに時にはどうなっていたい?
池原
カメラマンとしてスポーツニュースの撮影を任されるようにはなっていたいですね。東京オリンピックのどの競技でもいいので取材に行って映像を撮るということが自分にとってとても大事なんです!
石渡
そうか。また、その映像が残るってことも大事だよね。何十年後かにまた日本にオリンピックがやってきますって時に、この画、俺が撮った画って言えるものがあると嬉しいね。さっき話していたクリスティアーノ・ロナウドの映像じゃないけど、自分が撮った映像が何度も世に出るってことは非常にうれしいことで、その画を撮ったことが自信につながるよね。
池原
僕もそのような映像を届けられるよう、カメラマンになるため挑戦しつづけます!